矯正歯科治療は、歯の不正を治す治療です。
見た目をきれいにするだけではなく、歯を中心とした咀嚼器官・顔の形・咀嚼機能の回復や、噛み合わせ、発音の正常化などが含まれる治療です。
矯正治療に対する考え
矯正歯科では、様々な年齢の患者さんの治療を行っています。大きくは、成長がある子供達と既に成長が終了した成人に分かれます。
矯正の治療ゴールを決めるには様々な検査を行い診断をしますが、成長がある場合とそうでない場合とでは、成長がある子供達の方が考えることが多いです。
小学校低学年時は、平均身長より低かったのに、最終身長は平均であった、あるいはその逆などを経験された方もおられると思います。このような子供達に個体差があることはみなさんご存じのことだと思います。身長では最大発育年齢など性成熟に関する指標の標準偏差は約1年で、始めの児童・生徒と終わりの児童・生徒との間には6年間の開きがあります1,2) 。これは早熟晩熟等の発育速度の差が個成長に現れ、発育のテンポに差が生じているからである3,4)と言われています。
このようなことを踏まえて、当医院では成長発育期の子供達の治療を行うにあたっては、骨年齢に配慮した診断・治療を行っています。
1)三野耕:学齢期における身長発育の評価基準についての研究、和歌山医学、35:427~443、1984
2)Zacharias, L. and Rand, W. M., : Adolescent growth and sex in height and its relation to menarche in contemporary American girls, Ann. Hum. Biol.,10:209~222,1983
3)Malina, Robert M., Claude Bouchard : Growth, Maturation, and Physical Activity, Human Kinetics Books, Champaign, Illinois, 273~301, 1991
4)J.M.Tanner、 林正監訳:成長のしくみをとく、東山書房、京都、188~192,70、73、1994
◎上記については
☆2006年ハンガリー(ブタペスト)で学会発表 http://eaa2006.elte.hu/program.htm
→Use of skeletal age and growth standards chart for adolescent orthodontic treatmentと
☆第57回近畿北陸地区歯科医学大会(福井)にて発表
→骨年齢に配慮した成長期における矯正治療